雨隠ギド 「甘々と稲妻」
今回はアニメの話。
「甘々と稲妻」について。
半年前に妻を亡くした犬塚公平(高校の数学教師)と公平の娘つむぎと公平の教え子飯田小鳥によるあたたかいごはんの話。
雨隠ギド先生の漫画が原作で、2013念から『goodアフタヌーン』(講談社)より連載されている。また、『この漫画がすごい!2014』オトコ編で8位を獲得。
この作品は……
もうほんとにどうしようもなく愛しい。
そして何よりお腹がすく。
このアニメを見てから、家族で食卓を囲みたくなった。
ごはんが美味しくなった。
料理未経験ド素人である公平と、過去のトラウマから包丁に触れない小鳥がつむぎのために料理をつくる。ただそれだけなのにとてもあたたかかった。
冷凍食品ではなく、土鍋で炊くご飯の美味しさに涙し、一つの料理が出来上がる事に歓喜する。
料理を通してつむぎと公平の絆というものが深まっていく。
母が仕事で滅多に帰ってこない小鳥はそんな2人と食卓を囲む。
そこに並ぶのは、本当にあたたかい幸せだ。
テーマとしては料理ものとしては多分よくあるものなんだと思う。けど、やっぱりほかとは温度が違う。このアニメは、この漫画は、ここに出てくる人たちは、格段にあったかい。
今どき、こんな食卓は本当に少なくなってしまっているのだろう。
家族というのは、生まれて初めて触れ合う「集団」だ、と私は教わったのだが、その社会で最小の集団が今はとても冷たいと感じる。
あなたが今、家族と一緒に暮らしているのだとしたら、
あなたが今、一人暮らしをしていてあまり家族に会えていないのだとしたら、
家族という最小の集団でちゃんとごはんを食べているだろうか。
食事というのは不思議で、食べながらだとなんとなく普段話せないようなことも話せるものである。それに、例え会話が生まれなくても、きっとそこにあるごはんは美味しい。
誰かが作ってくれたものなら尚更だ。
もう一度、あなたの食卓を見渡してみてはどうだろうか。できれば、食卓の周りを。食卓を囲む人たちを。
その人たちが笑っていて、更に食卓の上が誰かが誰かのために作ってくれたごはんなら、それは結構幸せなこと何じゃないかと思う。
幸せは結構そんな感じの、些細なものなのだ。
『愛、たべてる?』